憲法って何のためにあるの? | 弁護士社長

憲法って何のためにあるの?

そういえば、昨日は、憲法記念日でしたね(笑)


ニュース23でも特集をやってました。


法学的に憲法の存在意義をいうと、


国家権力に歯止めをかけて、人権を守る


というのが憲法の最大の目的、存在理由です。

人権のために、内閣、国会、裁判所はあるんですね。


そして、現代、福祉国家ということで、生存権などがありますが、これは本来の憲法にはないもので、20世紀型の思想です。

国家からの自由から、国家による自由、といわれています。


現憲法は、欧米の思想の輸入品です。欧米の憲法は、ロックやルソーの自然権思想に基づいています。

生まれながらに自由だ・・みたいな奴ですね。

決して、日本の風習、文化、宗教が盛り込まれているわけではないです。

ようは、キリスト教なんですね。信じる神がいるから、国がまとまる。


日本は神がいない。もしくは、たくさんいすぎる(笑)

そこで、明治時代に、大久保利通などがつくったのが、天皇制度。

天皇教にしてしまったわけです。天皇がいれば国がまとまると。

明治憲法はまさに天皇主権だったわけです。

それで、現憲法をGHQが作るときにも、こりゃ天皇制度を残さないと、日本人はまとまらないぞとなりました。他の連合国は天皇制廃止論だったんですけどね。

よって、平等主義のなかに、ぽつんと、天皇制がはいっている。


ついでにいえば、帝国大学制度も、普仏戦争後のパリコミューン(労働者政府)をみた、岩倉具視たちがビビッて、貧乏人でもキャリアになれる制度が必要だと痛感してつくったんですね。

それが今の東大。

明治維新で、いろいろと国家百年の大計を立てたわけです。

でも、もう本当に100年になるので、そろそろ、明治以来の制度は、小沢一郎さんが言うように、ぶっ壊した方がいいと私は思っています。

今のエリートには、たかが薩摩の下級武士が作った、東大大蔵省に入ってよろこぶよりも、新しい国家制度を作ることに生きがいを感じてほしいです!


その辺を面白く描いているのが司馬さんですね。

著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 翔ぶが如く 1 (1)

余談が長くなりましたが、憲法の歴史の裏事情を詳しく書いているのが痛快憲法学です。是非お勧め。

TVの似非人権番組みてるよりよほどためになります。

平和主義者がナチスを助長したとか。いまの北朝鮮擁護派みたいです。

悪いやつには、ゲンコツが必要なんです。



著者: 小室 直樹
タイトル: 痛快!憲法学 ― Amazing Study of Constitution & Democracy



1946年11月3日に公布。半年後の47年5月3日に施行。

GHQ植民地憲法の成立過程を知りたい方は

著者: 古関 彰一
タイトル: 新憲法の誕生

を読んでみてください。


よく、戦前は悪くて、戦後はいい時代、みたいな話をききます。

しかし、あの家永裁判の家永先生でさえ、戦前の日本のほうがよかったといわれています。

たしかに、敗戦直前の数年間は議会主義が機能せず、軍部の独走を許しました。

しかし、軍国主義だったのは一時期です。むしろ当時は欧米列強が軍国主義だったのです。

戦前は昔ながらの古きよき日本があったのです。

戦後は欧米のまちがった自由主義だけが蔓延ってしまいました。

アメリカの田舎なんて、想像を絶する厳格な文化です。

憲法は古きよき日本復活のために変えてほしい。平和主義を維持しながら。