司法の役割は受身です | 弁護士社長

司法の役割は受身です

裁判所の使命は、いま「ある」法律の解釈をすること。
立法は国民の代表である国会で行います。
執行は内閣が行います。
つまり、裁判所は受身なわけです。

ライブドア問題でも裁判所は受身なので「今の法律では違法ではない」という決定がでるわけです。 
決定に対して、経済アナリストの紺谷さんのコメントに「立法の流れに逆行していて意外」というのがありましたが、紺谷さんのお考えのほうが意外です。
今の法律で違法なら立法は不要です。
昔の批判ネタ(^_^;)

たとえば、携帯電話。
運転中につかうことは昔から道義的には駄目だろうという感じでした。
しかし、昨年秋から、法律できちんと罰則がもうけられました。
試行前は、好ましくないけど、罰しない、ということです。

原則、どんな価値観や、行動をするかは、各人の自由なのです。
ロックやルソーまで話はさかのぼるわけです。
国家が刑罰を与えるというのは最後の手段なので、きちんと、国民の代表機関である国会で立法をしてルール化しておこうという、大原則です。

「世論や立法のながれが禁止の方向だから、いまでもみとめるべきでない」
というのは法律論ではなく、政治論です。
初学者は法律学や憲法の入り口で混同しがちなので気をつけましょう。